THREEの中の人々②中野浩明【前編】
THREEの中の人々②中野浩明【前編】
新人・菅原がお届けするTHREEの中の人々も2ヶ月目です。
2月は、弊社の取締役/アートディレクター/デザイナーの中野浩明さんに伺いました。
それでは、前編からどうぞ!
「制約」から生まれるデザイン
―中野さんはTHREEの立ち上げから関わられているんですよね。
中野:そうですね。関連会社の「刷屋」という会社のデザイン部門が独立してTHREEになったんです。グラフィックデザインは独学で、WEBデザインは1年間学校に通って基礎知識を学びました。
―実は、前から中野さんのデザインの作り方を不思議に思っていて…。机に座って、デザインツールを触るわけでもなく、じっと考え込んだり、ネットを回遊している時間長いですよね。
中野:デザインを依頼された時に、クライアントさんが抱えている課題・希望・条件といった制作する上での制約や要素があるじゃないですか。その要素を自分の中で一旦整理して、因数分解していって、抽象化した上で具体的にどの要素をフィーチャーしてどんなアウトプットにするかとかを考えていくんです。鷹の目、蟻の目、魚の目っていうように、ミクロとマクロとトレンドなど様々な視点から自分のモードを行ったり来たりして考えます。だから考えている時間がとっても長い笑。
―デザイナー=とにかく手を動かして絵を作る、わけではないんですね。
中野:少なくとも僕の場合は、課題とか条件などの制約から、それらを取っ掛かりにデザインを作っていきます。ネットを回遊するのは、ある程度頭の中にぼんやり浮かんだイメージを、ネットの海の中からベンチマークになりそうなものを見据えるために見てます。ウェブデザインとかだと色やフォントのようなディティール要素から、サービス設計のような全体要素までありとあらゆるベンチマークを見据えていきます。ビジュアル的にはベンチマークに見据えたものをクオリティレベルの最低ラインのように捉えてて、ここは絶対超えていこう、みたいな。
課題を解決のするためのヒントは世の中にはたくさんあるから、「この場合はこういった解決策がある」「ここのインパクトを強めたい場合はこういったアプローチがある」などの参考を日々のストックとしてインプットしておきます。折に触れてそれらを棚卸ししながら、案件ごとに内容に応じて形にしていく。「デザイン性が優れているエモーショナルなもの」と「機能として効果的なロジカルなもの」を一致させることはかなり難しかったりするんですけど、そこを両立させることに妥協はしたくないと思ってます。
―なるほど。クライアントさんの中には「具体的にこうしたい」とはっきり要望がある方もいれば、「何をどうお願いしていいかわからない」という方もいて、オーダーも様々だと思いますが、そういった方たちはどのようにしてデザインを依頼したら良いですかね?
中野:まず単純に相談されるのが好きなんで、デザインが必要だと思ったらとりあえずお茶しましょう笑
そしたらコミュニケーションの中で、デザインを使って何を表面化したいかとか、どんな課題を解決したいかとか、きっと見えてくると思います。「何をどうお願いしていいかわからない」という方でもその多くはご自分の中に答えがあることが多いんです。僕らはそれを明確化するための後押しをする感じです。僕はアーティストでもない(アーティストにはなれない笑)と思ってますし、ましてや先生でもないので、「お願いする」というよりは「一緒に良いものを作る」という気持ちでお声がけいただけたら、とても嬉しいです!
プライベート、夢中なこと
―僕もそんな風にお客さんの力になれるよう、頑張ります。さらに中野さんにはデザインと同じくらい入れ込んでいる趣味があると聞きました。
中野:釣りですね(即答)。
―昨年末に僕が入社したときはもうオフシーズンに入っていたようですが、オンシーズンはどんな風に楽しむんですか?
中野:5月のGWあけから10月いっぱい、だいたい週7で、朝3時おきでシーバスを釣りに行きます。
―週7ですか!?
中野:そうですね。釣りの面白さは…(長くなったので省略)。
―そんな釣りとデザインに共通点ありますか?
中野:あります!釣りは、地形や流れや水深を読んだりして仮説を立てるんです。この場合はこの竿が、リールが、糸が、ルアーが、カラーが、、、、などあらゆる要素から仮説を導き出して、実際に釣り糸を垂らす。でもうまくいかない。そこからトライアンドエラーで最適解を見つけていく、そういった一連の思考はデザインと似ていると思います。
<後編に続きます>