BLOG 2019.02.05

広告が効かない時代のマーケティング戦略

こんにちは。
THREE須貝です。

 

先日、幕張メッセで開催された「WEB・販促EXPO」に2日間行ってきました。

 

そこで開催された大手企業6社(エステー、mixi、フライングタイガー、よなよなエール、メルカリ、nano universe)の最新のマーケティングセミナーを拝聴しましたが、マーケティングの神、コトラーの唱える「マーケティング4.0」実践編!のような実例をたくさん聞くことができました。

具体的な施策の違いはあるものの、根底に流れる戦略に共通項もあり、とても面白かったので、私なりに「最新のマーケティング戦略」をまとめてみたいと思います。
有料のセミナーだったので、ほんの触り程度になりますが、印象に残ったことをご紹介致します。

 

INDEX. 
マーケティング4.0とは
大手6社の施策
まとめ

 

 

- マーケティング4.0

まず始めにデジタル時代のマーケティング戦略について、少しだけ触れます。
初歩の初歩的な内容なので、プロマーケターの方は物足りない内容だと思いますが、次項6社のマーケティング戦略の前段として「マーケティングの基礎知識」をお伝えしますね。

コトラーの「マーケティング4.0」では、デジタルマーケティングについて

「究極の目標は、顧客を感動させて忠実な推奨者にすることである」

としています。
「推奨者」とは、そのブランドを自分の友達や家族に薦めたいほど好きでいてくれる人のことです。
NPS(Net Promoter Score)という指標で計算され、NPSと事業の成長率には高い相関関係があることを証明する多くの調査が出ています。

スマートフォンの台頭により、モバイル・コネクティビティ(携帯端末によるコミュニケーションインフラ)が整い、ソーシャル・コネクティビティ(WEBやSNS等によるコミュニケーション)も強くなりました。

このようなデジタル社会において、顧客はコミュニティの助けを借りて、自分たちをターゲットにする悪いブランドから身を守るようになりました。顧客は「ブランドの仲間、友達」と見なされるべきであり、顧客に寄り添えたブランドは、顧客に受け入れられます。

これまでのように、ブランドが自分たちの強みや特徴を大きく掲げても、横のつながりで繋がった顧客たちは、その情報を鵜呑みにせず、自分たちで調べ、身近な人の意見を聞いてからでないと信用してくれません。

そんな中、興味・関心を持ち、購買行動に移り、さらに気に入って「推奨者」になってもらうためには、「伝統的マーケティング」と「デジタルマーケティング」の共存が必要である、とコトラーは唱えています。
初期段階では、様々な媒体(TV、CM、ラジオ、雑誌等)を通じて、自社のメッセージを発信する「伝統的マーケティング」の手法で「認知」「関心」を高め、その後の「行動(購買)」「推奨」に関しては「デジタルマーケティング」の手法を使うべきである、ということです。

手法については長くなるので割愛しますが、新しいカスタマージャーニーや、顧客像、セグメント等々、専門的な内容も掲載されておりますので、詳しくはこちらをお読みください。
とても面白いです!


- 大手6社の施策

今回は、エステー、mixi、フライングタイガー、よなよなエール、メルカリ、nano universe6社の昨今のマーケティング戦略を教えて頂きました。

コトラーのいう「推奨者」増加のために「共感」を得て、「共創」する。
明示してない会社さんもありましたが、根底に流れているのは、この「推奨者の増加のための施策」です。

 

★エステー★

エステーの「消臭力」(ミゲルくんが高らかに歌い上げるCMが印象的でした)のマーケティング戦略については、既に強豪他社製品が存在し、広告宣伝費用も他社に比べて少ない中で新しく世に出す新製品をどう売り出すか。

認知からスタートし、CM、SNS、etc...かなり綿密なストーリーを作り、顧客に共感してもらえるような戦略を実行されていたという印象を受けました。

 

★mixi★

mixiの「モンスターストライク」は、ローンチ後に仮説の検証、その後にマス広告であるCMをリリース、という伝統的マーケティングからスタート。
「みんなが集まって遊ぶ」というブランディングをやりきった後、2016年〜頭打ちとなったので、マーケティング部と開発部という、コンフリクトし、セパレートしていた部を一緒にすることから再スタート。

こちらはコトラーの言う「横の繋がりの強化」にあたります。
2018年夏、結果、数々の他社コラボ(マック、ピザーラ等)も生み出すことになった「ヤバババーン」プロジェクトでは、マーケティング部+広告代理店+役員が合宿をし、時間内に最高のクリエイティブを引き出したそうです。

 

★メルカリ★

メルカリも「認知」が広まった後に行った、マーケティング戦略のシフトチェンジ、それも現在進行形のお話を聞けました。まずはファクト(実際に起きていること)の中から戦略で使えそうなものを洗い出し、どのメディアで、どのPR手段を使うか「ファクトドリブン」で進めることを重要視している、とのことでした。
手段はニュートラルにし、ファクトの発見と選定を第一にする、それが消費者の生活におけるどこに接するかを考える、そして、ふさわしいメディアを選定し、翻訳する、という流れです。

 

★nano universe★

nano universeは、これまでやってきたマーケティングの成功&失敗施策一覧を列挙し、失敗については、なぜ失敗したのか、ということを掘り下げて教えてくださいました。

・つくってみたけど需要がなかった
・販促導線が弱かった
・ローカルマーケティングの仕込みが甘かった
等々、なかなか聞けない失敗施策を赤裸々にお話くださいました。
いま現在注力しているのは、ECやアプリ。

オンライン&オフラインのオムニチャネル(店舗やイベント、ネットやモバイルなどのチャネルを問わず、あらゆる場所でお客さまと接点をもとうとする考え方・戦略)の実例が続々と紹介されました。
データを用いて、店舗スタッフも顧客も、より気持ちよく、スムーズに買い物ができるよう、トライ&エラーを繰り返して成長している姿が印象的でした。

 

 

なかでも中小企業向けとしてとても参考になったのは、フライングタイガー&よなよなエールの「コミュニティマーケティング」&「ファンとの絆づくり」です。

 

★フライングタイガー★

フライングタイガーは、顧客密着軸を考えていく上で「社員が、熱狂して初めてファンの熱狂は生まれ、そしてファンの熱狂に触れて初めて社員は心から熱狂できる」というよなよなエールの方針に刺激され、まずは社員を熱狂させることからスタートさせます。

もともと、自分たちのブランドに対する愛情や、ブランドの価値に気づいていない社員もたくさんいることが調査でわかったので、まず、「頭で自分たちの提供するべき価値を理解し、それを実行に移す」という社内の変革を実行しました。

そこがクリアになった段階で、今度は熱狂的な顧客を増やす戦略に移ります。
思わずシェアしたくなるような、顧客を巻き込む形のキャンペーンを実施した他、フライングタイガー部活というコミュニティを立ち上げ、商品の開発や、イベントの準備、顧客が社員に向けて行うクリエイティブ講座を共創することにより、顧客がフライングタイガーを自分ごとと捉えるようになり、ファンがファンを呼んで輪が広がりました。

 

★よなよなエール★

また、ファンとの絆を昔から大切にしている、よなよなエールも「共創」の概念を一番に挙げていました。
ファンの共感・支援の輪を広げていくことで、輪の外にいる非認知層が「仲間になってみたい!」と思えるようなコミュニケーション作りを目指し、

「学び(酒造見学、ブランドストーリーを伝える)」
「交流(リアル&WEBイベント)」
「共創(新規製品開発etc...)」

を軸としたコンテンツ作りの内容を詳しくお伺いしました。
また経営戦略では、トレードオフ(差別化を大切に。賛否両論OK!)を良しとし、とんがることを忘れないことを大事にしていました。

色々な意見があれど、ブレないことは大事ですよね。
胸に刻みます。
そして、今後大事になってくることとして、「製品だけでなく会社へ共感してもらえること」を掲げていらっしゃいました。

 

- まとめ

各社、触り程度しかご紹介できないので残念なのですが、、、超感銘を受けた須貝はこの熱い想いを誰かに伝えたいので(笑)今度会ったときに興味あればぜひ聞いてください!
オフラインでならいくらでも喋ります。

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